尿酸とプリン体の関係!プリン体分解で尿酸ができる 

風が吹いても痛いと言われるのが「痛風」です。アルコールをたしなむ女性が増えたことで、女性の痛風患者も増えています。
そんな痛風の直接の原因は、血液中に尿酸という物質が増えてしまうことにあります。
一般に「尿酸値の高い人はプリン体を摂ってはいけない」と言われますが、その理由はどこにあるのでしょうか。

プリン体と尿酸の関係について、見ていくことにしましょう。

目次
* 尿酸とは?プリン体と尿酸の関係
* プリン体を摂りすぎるのがNGな理由とは
* プリン体が含まれる食品の特徴とは
* プリン体が分解されて尿酸になるのはどんなとき?
* プリン体を減らす以外に尿酸値を下げる方法

尿酸とは?プリン体と尿酸の関係

尿酸とは、プリン体が肝臓で代謝されてできる老廃物です。

そのプリン体は、細胞内の核酸(RNAとDNA)に多く含まれます。
プリン体というと悪玉物質のようなイメージを持つ人も多いかもしれませんが、実は遺伝子を作るのに欠かせない重要なものなのです。

プリン体が含まれる食べ物を摂取すると、やがて肝臓に運ばれて代謝が行われます。
そのときにできる燃えカスが尿酸です。

ところが、尿酸が作られるのは食事をしたときだけではありません。
通常の新陳代謝でも尿酸は作られます。

老廃物となった古い細胞には核酸(プリン体)が含まれているので、肝臓に運ばれて代謝されると尿酸ができてしまうのです。

痛風の原因になることで嫌われがちな尿酸ですが、実は強力な抗酸化作用があり老化防止に役立っています。
そのため、健康な人でも一定量は体内に蓄積される仕組みです。

また、アルツハイマー型認知症の発症との関連も指摘されています。
全く作られないほうが良いというわけではないのです。

そもそも、プリン体はたいへんポピュラーな物質で、食べないようにするほうが難しいほどです。
日々行われる新陳代謝でも尿酸は作られていますが、普通の生活をしていて痛風になることはまずありません。

遺伝的に尿酸が作られやすい体質の人を除けば、食事や新陳代謝によって作られる尿酸はごくわずかです。
とはいえ、暴飲暴食や激しい運動をすると血液中の尿酸の量が増えてしまうことがあります。

プリン体を摂りすぎるのがNGな理由とは

プリン体が代謝されると、血液中の尿酸値が上がります。

ところが、血液中に尿酸が増えすぎて溶けきれなくなると、尿酸は結晶となって関節に溜まるようになります。
その結晶が剥がれ落ちたり体内組織を刺激したりすると、白血球が異物と認識して攻撃を開始します。
このとき、白血球が炎症物質を分泌するため、激しい痛みをともなう痛風発作が起きるのです。

プリン体を過剰に摂り続けると、さまざまな部位に結晶が溜まるようになり、痛風発作のリスクが高まります。
痛風発作では非常に強い痛みが出るため、しばらくは立ち歩くことさえ難しい場合があります。
そうなれば、勤め先や家族に迷惑をかけるかもしれません。
何よりも自分自身がたいへん辛い思いをするのです。

そんなことにならぬよう、プリン体の摂りすぎにはくれぐれも注意しましょう。

プリン体が含まれる食品の特徴とは

プリン体は細胞核を構成する物質なので、レバーや白子、あんこうの肝など細胞数が多い食品に多く含まれます。
いくらやすじこなどの魚卵もプリン体が多いと思われがちですが、多くは含まれていません。

一方、乾物や干物はプリン体が多いことで知られています。
これは乾燥して細胞が凝縮したためと考えられます。
プリン体は旨味成分のひとつでもあり、旨味の濃い食品にプリン体が多い傾向が見られます。

プリン体は珍しい物質ではなく、入院でもしない限りプリン体を完全に遠ざけることは不可能です。
そのため、痛風を予防したいなら、プリン体を多く含む食品(高プリン体)を摂らないよう心掛けるのが現実的なやり方でしょう。

厚生労働省の委託事業である公益財団法人・日本医療機能評価機構のサイトでは、食品のプリン体含有率に関するデータを公表しています。
痛風が気になる人は、1度チェックしてみると良いでしょう。

プリン体が分解されて尿酸になるのはどんなとき?

プリン体から尿酸が作られるのは、食事や新陳代謝のタイミングばかりではありません。

最もポピュラーなのがアルコールを飲んだときでしょう。
アルコールが肝臓で代謝されると、尿酸が作られます。
特にプリン体の多いビールを飲むと、血液中の尿酸値が急上昇するため、痛風発作が起きやすくなるのです。

同じアルコールでも、ウイスキーやブランデー、焼酎などの蒸留酒ならプリン体は多くありません。
また、ワインは尿酸値を減らすというデータもあります。

アルコールを摂取すると血液中の尿酸値が上がるだけでなく、腎臓の尿酸排出機能が低下します。
どんどん尿酸が作られるのに排出できないので、痛風発作のリスクが一気に高まってしまうのです。

また、短距離走や筋トレなどの無酸素運動をしたときも、体内エネルギーの源となるATPという物質が分解されて、プリン体が作られます。
運動した後にビールを飲むのは、最悪な組み合わせということになりそうです。

一方、ストレスを溜めているときに尿酸が作られるのはあまり知られていないかもしれません。
プリン体の代謝システムうち、最終段階で働く酵素XOR(xanthine oxidoreductase)が、ストレスで活性化することがわかってきました。
ストレスがかかる事態に直面すると痛風発作が起きるケースでは、このようなメカニズムが働いている可能性があるでしょう。

プリン体を減らす以外に尿酸値を下げる方法

痛風患者の治療では、プリン体の多い食品を避けるより、エネルギーの摂取量を制限する方法がメインになってきています。

内臓脂肪が蓄積していくと、脂肪分解を司るアディポネクチンが減少し、尿酸値が上昇することがわかってきました。
痛風患者の約4割弱がメタボリックシンドロームともいわれていて、肥満と痛風の関係やアディポネクチンの働きに高い関心が寄せられています。

高尿酸血症や痛風を改善したいなら、メタボリックシンドロームを改善するのもひとつの方法です。

尿酸値は、ストレスや激しい運動によっても上がってしまいます。
尿酸値が気になるなら、運動を軽めにすることや、上手にストレスを発散することを心がけてください。
そして、お酒はほどほどにして暴飲暴食にも十分注意しましょう。

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