腎臓病患者の食事は?注意点と対策まとめ!

腎臓病を患っている人は、食事の摂り方に十分注意する必要があります。
腎臓病患者の食事の摂り方は難しく、知らない間に症状を悪化させてしまっている可能性があるからです。

今回は、腎臓病患者向けの食事の摂り方について解説していきます。

目次
* 腎臓病患者にたんぱく制限が必要な理由
* 摂取カロリーは増やすべきなのか
* 塩分制限やカリウム制限もある
* 食事療法をする際の注意点
* 治療用特殊食品やサプリメントが食事に役立つ

腎臓病患者にたんぱく制限が必要な理由

腎臓病患者の食事療法でよく耳にするのが、たんぱく制限です。
これは、腎機能が低下していることで、たんぱくによって生成された窒素代謝物(老廃物)の処理に負担がかかってしまうことを避けるために行われます。
通常であれば、腎臓には窒素代謝物の処理に必要な糸球体が十分に備わっていますが、腎機能が低下してしまうと減少するため、残ったひとつひとつが能力を超えて処理を行います。
この状態が長く続くことはないため、濾過機能はみるみるうちに落ちて、腎臓に大きな負担をもたらしてしまうのです。

日本腎臓学会のガイドラインによれば、腎臓への負担を減らすために標準体重あたり1日0.6〜0.7gのたんぱく制限が推奨されています。
標準体重が60kgの腎臓病患者ですと、36〜42gのたんぱく制限が必要になります。

たんぱく制限を行うときは、一度に減らすのではなく徐々に摂取量を減らしていくことや、蛋白価の高いたんぱく質を摂ることが大事です。

摂取カロリーは増やすべきなのか

一般的なたんぱく質の摂取量は80g程度なので、たんぱく制限を行えばその分摂取カロリーが不足してしまいます。
たんぱく制限をする場合は栄養不良にならないように注意することが大切です。

カロリー不足のまま食事療法を続けると、筋肉が痩せていきます。
筋肉を構成しているのはたんぱく質であるため、それが分解されると窒素代謝物を増やすことにつながり、腎臓への負担が大きくなります。
それを阻止するために、たんぱく質以外の糖質や脂質で摂取カロリーを増やすことが求められるのです。

糖質や脂質でカバーしつつ、ゼリーやビスケットといったカロリーアップ食品などを利用して効率よく摂取カロリーを増やすことが大切です。

塩分制限やカリウム制限もある

腎臓病を患っている人は、たんぱく質だけではなく塩分やカリウムの制限も求められる場合があります。

腎臓病患者の場合、塩分制限は体液量を見つつ行っていくのが通常です。
人の体は塩分やカリウムといった電解質を60%も含む体液から成り立っており、その体液を調節しているのが塩分で、排泄する働きを持っているのが腎臓になります。
腎臓病の人は排泄機能が低下しているため、塩分が溜まりやすく、むくみ、高血圧といった症状を引き起こしやすいのが特徴です。

症状がさらに進行すれば、心不全や肺水腫といった病気を引き起こすことも少なくありません。
合併症を避けるためにも、1日6g以下に制限する必要があります。

腎臓の機能が低下すると、カリウムの排泄もうまくいかなくなるため、カリウム制限が必要になってきます。
ここで、カリウム制限をしないと高カリウム血症と診断されてしまう可能性が高まるため、それを避けるためにもカリウムの摂取量を1日1590mg以下に制限します。

カリウムは、果物や野菜、肉類、魚類などさまざまな食品に含まれていて、果物ではバナナがもっとも多く、野菜ではいも類が全体的に含有量が多いです。

カリウムは水に溶ける性質を持っているため、カリウムを多く含む食品は、湯でこぼしや流水にさらすなど調理法を工夫することで摂取量を減らすことが可能です。

食事療法をする際の注意点

腎臓病の食事療法において重要となるのがたんぱく制限です。

しかし、たんぱく質は肉や魚はもちろんのこと、野菜や果物、コーヒーなどあらゆる食品に含まれています。
日本人が主食としているごはんや食パン、そばといった麺類にもたんぱく質が含まれているため、たんぱく制限がある場合にはより注意する必要があるのです。

たとえば、それほどたんぱく質が含まれていないイメージのあるごはん1杯(180g)にも4.5g、食パン6枚切り1枚では5.6g、そば1玉(200g)では9.6gものたんぱく質が含まれています。
選び方に気をつけないと、主食だけで1日の半分以上のたんぱく質を摂取してしまうことにもなりかねないのです。

また、主食に含まれているたんぱく質は質が良くないため、良質なたんぱく質で老廃物を出さないようにすることが重要です。

治療用特殊食品やサプリメントが食事に役立つ

腎臓病の食事療法は、1日に必要なカロリーをしっかり摂取しつつたんぱく質を制限する必要がありとても難しいものです。

そのため、効率よくエネルギーや必要な栄養素を摂取できる治療用特殊食品の活用が役立ちます。
治療用特殊食品とは、たんぱく制限が必要な人のために作られた食品のことで、カロリーをそのままにたんぱく質だけを抑えた腎臓病患者には理想的な食品です。
主食となるごはんやパン、麺類などはもちろんのこと、間食用としてお菓子類なども販売されています。
主食を治療用特殊食品に置き換えるだけで食事の負担が減るため、積極的に有効活用すると良いでしょう。

治療用特殊食品の他にはサプリメントの摂取も効果的です。
腎臓の解毒作用をアップしてくれるビタミンB2やビタミンEを豊富に含むサプリメントを選ぶようにしましょう。

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