認知症の種類を紹介!代表例6つを解説

一言で認知症といっても、その症状は原因疾患によってさまざまです。
原因疾患を知ることによって、それぞれの認知症に最適な対応をとることができるだけでなく、一部認知症については予防することも可能になります。

ここでは代表的な6つの認知症について紹介します。

目次

  • 【種類その1】アルツハイマー型認知症
  • 【種類その2】前頭側頭型認知症
  • 【種類その3】アルコール性認知症
  • 【種類その4】若年性認知症
  • 【種類その5】脳血管性認知症
  • 【種類その6】レビー小体型認知症

【種類その1】アルツハイマー型認知症

アルツハイマー型認知症は、日本で一番多いといわれている認知症です。
男性に比べて女性の方が発症率が高くなっています。

アルツハイマー型認知症になる原因は、まだよくわかっていません。
しかし、特殊なたんぱく質によって脳の神経細胞が破壊されることは解明されており、アルツハイマー型認知症の人の脳をMRIで撮ると、脳の萎縮が顕著に見られるのが特徴です。

アルツハイマー型認知症では、見当識障害や記憶障害、失語などが代表的な症状として現れます。
見当識障害とは、自分がどこにいるのかわからなくなる状態のことです。
その結果、自分の家にいるにもかかわらず「自宅に帰る」といって、外に出てしまう、いわゆる徘徊と呼ばれる行動が引き起こされます。

記憶障害が通常の物忘れと異なる点は、行為そのものを忘れてしまうという点です。
例えば、昨日の夕食になにを食べたのかを忘れてしまうのは通常の物忘れであり、年齢とともに誰にでも起こりうるものです。
アルツハイマー型認知症の場合、夕食を食べたということ自体を忘れてしまいます。

【種類その2】前頭側頭型認知症

脳の萎縮が原因という点ではアルツハイマー型と同じですが、前頭葉や側頭葉部分の萎縮が見られる場合、前頭側頭型認知症に分類されます。

この認知症では、反社会的言動と常同行動が特徴的です。
礼儀や常識といった概念に乏しくなり、これまで常識人で通っていた人が突然、暴力を振るったり、万引きをしたり、痴漢行為をしたりします。

道徳観が低下しているため、本人に罪悪感がない点も特徴的です。

常同行動とは、その名の通り同じ行動を繰り返すものです。
決まった時間に決まった行動を取らなければ気が済まなくなり、それを阻害しようとすれば激しい抵抗にあいます。
例えば、散歩をする場合にも毎日同じルートを同じ時間に行うようになります。

この認知症は比較的若年者に多く、40〜60代に発症するケースが多いようです。

【種類その3】アルコール性認知症

アルコールの多量摂取を続けると、脳梗塞などの脳血管障害やビタミンB1欠乏による栄養障害などを発症します。
その結果として、認知症状が現れるのがアルコール性認知症です。

脳梗塞の発症した部位によって、片麻痺や言語障害、記憶障害といった症状が現れます。
認知症の原因は脳梗塞にあるため、脳血管性認知症と症状は同じですが、原因がアルコールの過剰摂取にあることが明らかな場合、アルコール性認知症に分類されます。

また、栄養障害による認知症の場合、急性期には意識障害や平衡感覚を失うといった症状も見られるようです。

アルコールの過剰摂取が原因のため、アルコールを控えることである程度の改善が期待できます。
ただし、アルツハイマー型認知症や脳血管性認知症が併発している場合も多く、そういったケースでは治療は困難になります。

【種類その4】若年性認知症

65歳未満の人が認知症を発症した場合、その原因を問わず若年性認知症と呼ぶことがあります。

若年性認知症の中でもっとも多いのは、脳血管性認知症です。
他にも前頭側頭型認知症やアルコール性認知症、それにアルツハイマー型認知症など、どの認知症も若いうちから発症する可能性を秘めています。

若年性認知症は働き盛りの男女が発症する認知症であるため、高齢者以上に経済面が問題になることがあります。
仕事を継続するのは困難なことが多く、一家の大黒柱が若年性認知症となってしまい、経済的に困窮することも珍しくありません。

【種類その5】脳血管性認知症

脳血管性認知症は、アルツハイマー型認知症に次いで多い認知症です。
原因は、脳の血管が詰まったり破裂したりといった脳血管の障害です。

脳血管性認知症では、脳血管障害を起こした後に急激に出現すること、階段状に進行していくことが特徴として挙げられます。
代表的な症状に片麻痺があります。

また、麻痺によって舌や顔の筋肉がうまく動かせなくなった結果、言語障害が現れることも珍しくありません。
高齢者の場合、アルツハイマー型認知症と併発していることもあります。

脳血管障害は一度発症して終わりではなく、その後も繰り返し発症するリスクの高い病気です。
そのため、再発防止が非常に重要であり、また脳血管障害の再発予防に努めることで、認知症の進行をある程度遅らせることも可能です。

【種類その6】レビー小体型認知症

脳内にたまったレビー小体という特殊なたんぱく質によって、脳の神経細胞が破壊された結果発症するのがレビー小体型認知症になります。

レビー小体型認知症の特徴は、パーキンソン症候群と幻視です。
パーキンソン症候群とは、手足の震えや最初の関節の曲げ伸ばしがしにくくなるといった症状を指します。
他にも、歩き始めると問題はないが、最初の一歩がなかなか踏み出せない、歩幅が小刻みになるといった現象がみられることもあります。

幻視とは、目に見えないものが見える症状のことです。
部屋の床一面に虫が這っているといった訴えがある場合、レビー小体型認知症を疑ってみるとよいかもしれません。
レビー小体型認知症は比較的男性の発症者が多いのも特徴です。

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