むくみの起きやすくなる行動というと、長時間の同じ姿勢での仕事、身体を締め付ける服装、お酒の飲み過ぎなど誰もが日常的にしてしまっているものです。
しかし、なかには病気が原因で起こるむくみもあり、腎臓や心臓、肝臓などのおそろしい病気である可能性もあります。
むくむのはいつものことだからと放置している方は、一度病院で検査をしてみたり、生活を見直してみたりすることをおすすめします。
目次
* 塩分過多 むくみが起こる原因とは
* むくみと心臓の機能には関係がある
* 隠されているかもしれない!肝臓と腎臓の病
* 一過性のむくみに効く!対策方法とは
* 慢性的なむくみは病院に相談
塩分過多 むくみが起こる原因とは
むくみとは、血液中の水分が何らかの原因により外に染み出して、皮下組織の中に溜まってしまう状態をいいます。
もともと私たちの体内には多くの水分がありますが、むくみは水分が存在する場所のバランスが崩れた状態で、体のどの部分にも起こりえます。
むくみが起きる原因としては、長時間同じ姿勢でいたり身体を締め付ける服装でいたりするために血流が滞ることや、塩分・水分・アルコールの摂り過ぎ、その逆に水分の不足、睡眠の過不足、薬の副作用などが考えられます。
また、むくみには女性特有のものがあり、筋肉量が少ないことでの血行不良や、生理前・妊娠中・更年期のホルモンバランスの乱れなどが原因になることがあります。
これらのような原因で起こるむくみは、ほとんどが一過性のものであり、運動や入浴をすると余分な水分が排出されたり代謝が良くなったりして元に戻ります。
むくみと心臓の機能には関係がある
実はむくみと心臓のポンプ機能には大きな関わりがあります。
よく知られている通り、血液は心臓のポンプ機能によって全身に栄養分を送り届けています。
血液中の血しょうが細胞間液となって細胞に栄養を届けているのですが、心臓の機能が低下して血行が悪くなると、細胞間液が血液中に戻れずにとどまってしまうことがありむくみになります。
さらに血行不良は腎臓の働きも悪くし、尿があまり作られなくなってしまうために体に水分が溜まります。
このように、心臓の働きは体のむくみと関係が大きく、心不全や心筋梗塞、心筋炎といった心疾患の自覚症状としてむくみが現れます。
心疾患が原因のむくみは特に心性浮腫と呼ばれています。
肺循環系である右心室に機能障害が起こるとむくみは全身に起こりますが、全身循環系である左心室の場合は肺に水が溜まる肺水腫になります。
心性浮腫は体を横にすることで心臓への負担が減少するので、むくみが軽くなるのが特徴です。
隠されているかもしれない!肝臓と腎臓の病
全身が慢性的にむくむような場合、隠れているかもしれない病気は心疾患だけでなく、肝臓や腎臓の病気である可能性もあります。
肝臓の機能低下が原因で起こるむくみは肝性浮腫、腎臓の場合は腎性浮腫と呼ばれますが、いずれもアルブミンというタンパク質が深く関わっています。
アルブミンは主に肝臓で合成されており、血液中の水分量を正常に保ったり体内の物質を運搬したりする役割をしています。
肝臓の機能が低下するとアルブミンが不足し、血液中の水分が皮下組織にしみだしていくためむくみが起こります。
また、腎臓は体内の水分量を調節したり、老廃物を尿にして体外に排出したりする働きをしているため、機能低下によって体内に水分が滞りむくみが起こります。
ネフローゼ症候群という病気の場合は、アルブミンをはじめ必要なタンパク質が尿として排出されてしまいます。
そのため、血液中のアルブミンの量を調べることで、肝臓や腎臓の異常を知ることができるのです。
一過性のむくみに効く!対策方法とは
むくみのほとんどは一過性のもので、対策によって解消が可能です。
一過性のものだからと放置していると慢性化することもあるため、むくみやすい生活習慣や食習慣がある場合は見直しをするとよいでしょう。
むくんでしまったときの対処法としては、まず適度な運動や入浴で余分な水分を排出し、血行を促すことです。
足のむくみはマッサージやツボ押しでケアをすることもできます。
足の先からふくらはぎにかけて下から上になでるようにマッサージをしたり、すねの外側にある「足の三里」というツボを刺激したりといったケアは、オフィスで座ったままでもできるためおすすめです。
むくみを予防するために日頃から心がけたいことは、規則正しい生活や栄養バランスの良い食生活、水分や塩分をとりすぎないこと、適度な運動を心がけることなどです。
積極的に取るといい栄養素には余分な水分を排出してくれるカリウムがあり、きゅうりやバナナ、アボカドなどに豊富に含まれています。
慢性的なむくみは病院に相談
生活習慣や食生活を改善しても慢性的にむくみが見られる場合は、病気が潜んでいる可能性があるので病院で相談してみるようにしましょう。
血液検査や超音波検査などで診断が可能です。
症状としてむくみが起こることが考えられる病気は、心臓の場合は心筋梗塞や心筋炎、拡張型心筋症、心不全などがあります。
腎臓であれば腎不全、ネフローゼ症候群で、むくみが起こった時点で既に重症化しているおそれがあります。
肝臓の場合は慢性肝炎、アルコール性肝炎、肝硬変などが考えられ、いずれの臓器の病気でも命に関わるおそろしい病気です。
むくみに限らず、慢性的に何かしらの症状がある場合は病院で併せて相談してみてください。
重篤な病気にまで進行していないとしても、むくみは日常生活のバロメーターです。
水分や塩分の過剰摂取や血行の悪くなりやすい生活は確実に体に負担がかかりますから生活習慣に気をつけましょう。
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