糖尿病は食事療法で血糖値の減少を目指すのが基本ですが、適切な食事療法を行わないと体調を崩してしまうことがあります。
今回は、糖尿病の人や家族に糖尿病患者がいるという人のために、糖尿病の正しい食事療法について解説していきます。
目次
* 糖尿病の食事療法はカロリー計算が大変重要
* 摂取すべきカロリー上限は体格で変わる
* 食事療法の注意点1.一食分の栄養バランスに気をつけて
* 食事療法の注意点2.食べ方にも気を配ろう
* カロリー制限ではなく糖質制限の食事療法とは
糖尿病の食事療法はカロリー計算が大変重要
ブドウ糖を体内に摂取すると誰でも一時的に血糖値は上昇しますが、インスリンの働きによってピークである1時間〜2時間を過ぎると徐々に低下していきます。
インスリンとは、すい臓にあるβ細胞によって生成される物質のことです。
血液中にあるブドウ糖を臓器細胞に取り込んで、エネルギーに変換したり体内にたくわえたりといった働きを行います。
これによって、食後増加した血糖は速やかに処理されるのが通常ですが、カロリーの摂り過ぎなど乱れた食生活を続けると、血糖値が急激に上昇し、それを下げようとするためにβ細胞がインスリンを分泌し続けます。
このときに、すい臓に大きな負担がかかってしまうのです。
すい臓に負担がかかると、インスリンがうまく分泌されずに血糖値が下がることはありません。
インスリンの分泌を正常化させるためには、すい臓に負担をかけない食事が大切です。
そのため、高カロリーな食生活を避けることが求められるのです。
摂取すべきカロリー上限は体格で変わる
1日のエネルギー摂取量は、男性が1,600 kcal〜2,000kcal、女性は1,400 kcal〜1,800kcalが適正といわれています。
しかし、体格や1日の活動量などで大きく変わってくるため、自分が摂取するべき1日のエネルギー摂取量を正しく知っておくことが大切です。
エネルギー摂取量は、標準体重と身体活動量をかけて導き出します。
標準体重の計算式は、身長m×身長m×22です。
身体活動量はあくまでも目安になりますが、デスクワークなどの軽い作業では25 kcal〜30kcal。
立ち仕事などの普通の作業では30 kcal〜35kcal、力仕事などの重労働では35 kcal〜kcalです(肥満の人は1日の活動量にかかわらず、20 kcal〜25kcalとして体重減少を目指すのが基本)。
たとえば、170cm、80kgある男性がデスクワーク中心の仕事に就いていた場合、1.7(m)×1.7(m)×22で標準体重は63.6(kg)となります。
そして、標準体重63.6(kg)と身体活動量25(〜30)(kcal)をかければ、エネルギー摂取量1.590(〜1.908)(kcal)がわかります。
食事療法の注意点1.一食分の栄養バランスに気をつけて
食事療法を行うときは、一食分全体の栄養バランスに気をつける必要があります。
炭水化物は全体の摂取カロリーの59%〜60%、たんぱく質は20%とし、標準体重1kgあたり1 g〜1.2gです。
脂質は摂取カロリーの20%〜25%までとし、これを超えないように注意しなければなりません。
脂質が25%を超える場合は、中性脂肪やコレステロールの増加を招きやすい飽和脂肪酸を減らす努力をすることが大切です。
食事療法の注意点2.食べ方にも気を配ろう
糖尿病の食事療法では、三食しっかり食べること、早食いはしないこと、栄養バランスの取れた食事を心がけることがポイントになります。
カロリー制限をするときは、1日1回〜2回など食事の回数を減らすことはすい臓に負担がかかりよくありません。
そのため、朝・昼・晩と食事の時間をしっかりと決めて規則正しく行うことが求められます。
基本的に間食は避けなければならないのですが、仕事などでどうしても食事を摂りづらいというときには、1日の総エネルギー量から決められた分のみ間食を摂るようにします。
早食いをしないことは、食べ過ぎを防止するためにも必要です。
食事をしてから満腹感を得るにはある程度時間がかかりますので、よく噛んでゆっくりと食事を摂ることで腹八分目に抑えることが重要です。
また、ひとつの食品のみに偏るのではなく、なるべく多くの食品で栄養素をまんべんなく摂取することも大切です。
カロリー制限ではなく糖質制限の食事療法とは
糖尿病の一番の原因は糖質の過剰摂取なので、糖質制限をすることで血糖値の急激な上昇を防ぎ、インスリンの分泌量が少なくてもすい臓に負担がかからないようにすることができます。
ここ数年では、実際にカロリー制限ではなく糖質制限で症状が軽減されたという例が多く報告されています。
糖尿病患者が糖質制限を始めてから3カ月で血糖値が低下し、薬がなくても正常な値になったというのです。
糖質制限では、米や小麦粉、砂糖といった糖質を多く含む食べ物のみを減らして、肉、魚、卵といった脂質やたんぱく質などは好きなだけ食べることができます。
さらに、カロリー制限のように食材の量や種類を細かく計算することも、好きな食べ物を我慢する必要もありません。
そのため、糖質制限はカロリー制限が長く続かないという人などにおすすめですが、自己判断による糖質制限は体調悪化を招くおそれがあるため避けるべきです。
ごはんやパンといった主食を一切摂取しない食事を続けた糖尿病患者が、血糖値は減少したものの、筋力の衰えや視力障害などを引き起こした例もあります。
糖質制限を行う場合は、必ず医師に相談して行うことが大切です。
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