かつて痛風には中年男性特有の病気というイメージがありました。
お酒や脂っぽいものを好んで食べる層ではよく発症例がみられたものの、それ以外の人々にはあまり縁のない病気だったからです。
しかし、日本人の食生活は大きく変化し、その結果、痛風は誰もがなりうる身近な病気になってきました。
そこで、痛風で悩んでいる人のために、改善効果が期待できる5つの対策について解説をしていきます。
目次
- 【痛風対策1】水分を十分に摂取する
- 【痛風対策2】プリン体を多く含む食べ物を避ける
- 【痛風対策3】尿酸値を下げる食べ物を食べる
- 【痛風対策4】食べ方や飲み方に注意する
- 【痛風対策5】サプリメントの摂取
【痛風対策1】水分を十分に摂取する
痛風の直接的な原因は尿酸の増加にあります。
尿酸が多くなると体外に排泄しきれなくなり、それが関節に蓄積されて結晶となります。
そして、その結晶が関節からはがれると、白血球が異物と判断して攻撃を加えるので激痛が走るというわけです。
痛風の人の血液は酸性に傾き、尿酸に対する溶解度が低くなっています。
そのため、どんどん結晶が蓄積していき、発作が定期的に繰り返されることになります。
それに対して、改善効果が期待できる最もシンプルな方法が水をたくさん飲むことです。
水分量が増加することで血液の酸性濃度は是正されます。
すると、尿酸が血液に溶けやすくなり、体外への排出へとつながっていくのです。
ただし、水分は摂取すればするほどよいというわけではありません。
一定量を超えると尿酸の排出量は変わらなくなります。
くれぐれも水分を取りすぎて体調を崩してしまったなどということがないようにしましょう。
水分補給量の目安は大人であれば1日2リットル前後です。
1度に大量の水分を摂取すると腎臓に負担をかけてしまうので、1回の摂取量は159mlから259ml程度に抑え、こまめに水分補給を心がけるようにしましょう。
ちなみに、水分補給は起床直後、運動後、入浴後、就寝前などといった体が水分をほしがっているタイミングで行うとより大きな効果が期待できます。
しかも、冷えた水や糖分が含まれているジュースなどではなく、常温の水か利尿効果の高いお茶などをゆっくりと飲むのがおすすめです。
【痛風対策2】プリン体を多く含む食べ物を避ける
尿酸の増加の原因としてよく挙げられるのがプリン体の過剰摂取です。
プリン体とは細胞の核を構成する物質であり、尿酸の原料としても用いられます。
プリン体の含有量は食品によって大きな差があります。
そして、プリン体の多い食品ばかり食べていると尿酸値が上昇するので、痛風になる確率も高くなるというわけです。
ちなみに、日本痛風・核酸代謝学会の「高尿酸血症・痛風の治療ガイドライン」によると、痛風の人のプリン体摂取量は1日400mg以下が望ましいとされています。
それではどういった食品にプリン体が多く含まれているかといえば、その筆頭として挙げられるのが煮干し、鰹節、干し椎茸、鳥レバー、マイワシの干物などです。
これらの食品には100g中に300mg以上のプリン体が含まれています。
他に、豚レバー、牛レバー、大正エビ、オキアミ、サンマの干物などといったものにも100g中200mg〜300mgのプリン体が含まれており、極めて高いレベルにあります。
したがって、痛風の人はレバーやエビ、干物類などの摂取は控えた方が無難だといえるでしょう。
【痛風対策3】尿酸値を下げる食べ物を食べる
尿酸値を下げる効果が期待できる飲み物の一つにコーヒーがあります。
コーヒーには利尿作用のあるカフェインが含まれているので尿酸の排出を促すというわけです。
また、牛乳などの乳製品はアルカリ性食品であるため、体内の尿酸を溶かして排出をしやすくしてくれます。
それに、乳製品にはプリン体がほとんど含まれていないのも魅力です。
さらに、乳酸にはガゼインという物質が含まれており、これには尿酸の排出を促進させる働きがあります。
ただし、牛乳には脂肪も多く含まれているので毎日飲むのであれば低脂肪のものがおすすめです。
その他にも、無糖のコーヒーに牛乳を加えてカフェオレにして飲むといった方法もあります。
一方、飲み物以外では野菜類、海藻類、きのこ類、大豆製品などを中心に食事を取るようにすればよいでしょう。
いずれもプリン体の含有量が少ない食べ物ですし、海藻類、きのこ類、大豆製品の多くはアルカリ性食品です。
それに、緑黄色野菜に含まれている葉酸は尿酸値を抑える効果があるといわれていますし、青汁の主成分になることも多い明日菜には尿酸の排出を促すカリウムが豊富に含まれています。
その上、尿酸値は内臓脂肪の蓄積と密接な関係があります。
そこで、食物繊維が豊富に含まれている野菜類、海藻類、きのこ類などをたっぷり摂取すれば腸内環境が整えられて余分な脂肪が排出され、尿酸値を抑える効果につながるというわけです。
【痛風対策4】食べ方や飲み方に注意する
痛風の人はプリン体の他に、糖・塩分・脂質を摂取しすぎないことも大切です。
塩分の過剰摂取によって血圧が上がると、それが尿酸値の上昇につながってきます。
また、糖分や脂質のとりすぎは肥満の原因となり、痛風の悪化リスクを高めていきます。
そのうえ、砂糖の主成分であるショ糖や果実に含まれる果糖は摂取量に比例して尿酸値が上昇するため、過剰摂取には気をつけたいところです。
さらに、食事のメニューだけではなく、食べ方にも気を使う必要があります。
特に早食いは厳禁です。
早食いによって血糖値が急速に上昇するとそれを抑えようとしてインシュリンが分泌され、尿酸値の上昇の原因となる場合があるからです。
同様に、大食いをしたり、食事を抜いて空腹時間を長くしたりすることも血糖値の急上昇につながります。
もちろん、偏食による栄養バランスの偏りも痛風を悪化させる原因となりますし、寝る直前に食事をすることもおすすめできません。
睡眠中に消化したもののほとんどは脂質となるため、肥満に直結してしまうからです。
ちなみに、昔から痛風の原因といわれているアルコールには尿酸の排出を阻害する働きがあるため、お酒の飲みすぎに対しても注意が必要です。
【痛風対策5】サプリメントの摂取
食事や飲み物の選択が重要だとわかっていても、忙しくて気を配る余裕がないという場合もあります。
そういうときは食事の代わりにサプリメントを使用するのも一つの手です。
痛風に効果的とされる成分が含まれているサプリメントを欠かさず飲むようにするのです。
それならば、手間はかかりませんし、尿酸値を下げる手助けにもなります。
たとえば、・スピルリナなどには食物繊維や葉酸などといった尿酸値の抑制につながる栄養素が豊富に含まれています。
以上のように、痛風によいといわれる食品を積極的に取り入れ、悪影響を与える可能性のあるメニューや食べ方などを改めることで症状の緩和に努めていきましょう。
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